先日、大手断熱材メーカーの方とお話をさせていただきました。

それも、技術者の方も一緒にきていただいてのお話は、とても参考になりました。

色々とあったのですが、多くの方が疑問に思われている

「基礎断熱」と「床下断熱」、どちらが暖かい?

という問題についても、明確に答えを教えてくれました。

まずは、用語の説明から。

「基礎断熱」

床下を密閉して基礎の外回りや、内側に断熱材を貼る方法です。
寒冷地で普及していて、最近は関東でも採用するところが出てきました。
写真は、お風呂の点検口があるところです。

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基礎断熱は、2年くらいすると床下が乾燥するので良いと言う意見もあります。

「床下断熱」

床下に断熱材を貼る方法です。
以前から関東など全国的に使われてきた方法です。
下の写真のように、スキマ無く貼っていきます。

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「基礎断熱」は、寒冷地で使われてきた技術だから「暖かい」というイメージがあり、そのように説明している住宅会社もあるようです。

この「床下断熱」vs「基礎断熱」の疑問は消えず、モヤモヤとしていました。

寒冷地では、なぜ「基礎断熱」が採用されているのかと私なりに考えました。

その答えは、
「基礎ごと断熱しておかないと、給水どころか、排水まで凍ってしまうのではないか」
と言うこと。

特に、北海道のお家を見学した時には、その事を実感しました。

大手断熱材メーカーの方に、
「そうなんですかね〜」
と、聞いてみると、
「北海道は別格ですよ!」
の一言。

そして、こうも答えてくれました。
『実際に、「基礎断熱」と「床下断熱」を比べると、
「床下断熱」の方が暖かいですよ
と。

基礎断熱の方が計算上有利

では、なぜ最近は「基礎断熱」が増えてきたのでしょうか?

その技術者の方によると、
「基礎断熱」の方が、断熱の計算をした時に有利に出るのだそうです。

有利とは、性能を考えた時の費用を安くできると言うことです。

ただし、基礎断熱は地中に逃げていく熱もバカになりません。
この点につきましては、最近研究が始められています。

実は、私も基礎断熱の工事をしたことがありますが、痛い目にも会っています。

基礎の中が水浸し!

お客様が、お風呂の金具を掃除するために部品を無理やり外し。

そして、戻したのですが、、、、

そこから、ポタリポタリと水が漏れ始めたのです。

外した部品は、外してはいけない部品でした。

基礎の中は水浸しです。

床下の部分を密閉する基礎断熱だったら、大変な事になったでしょう。

基礎の中が、○○で、!!!

そのお客様は、隣の家が設備屋さんでした。

せっかくだから、その設備屋さんに頼みたいとご要望をいただいたのです。

お隣さんなら問題ないかな、と思って工事をしていただきました。

そして住み始めて、大変なことが起きました。

家の中に、変な匂いがすると。
原因は、排水が床下で漏れていたのです。

設備屋さんが悪いのかと思ったら、排水の工事はご主人がしていたことが判明しました。
昔バイトで設備の仕事をやっていたので、思い出しながらやったそうなのですが、、、。

大変な事になってしまいました。

このような、床下の事故はいつ起きるかわかりません。
このような事を経験すると、基礎断熱は注意が必要な事が実感できます。

 

単純に、「床下断熱」と「基礎断熱」のどちらが良いと言うのはとても難しい面があります。

どちらを採用するにせよ、その特性をしっかりと理解しておく事が大切です。