今回発表された「路線価」とは、相続税や贈与税を算定する基準になる1平方メートル辺りの金額を言います。
簡単に言うと、
「土地を誰かにあげたり、相続したりする場合に税金を払わなくてはいけないのですが、支払う税金の金額は行政が決めます。
その税金を計算するための基準の金額が『路線価』です。」

「路線価」の評価額は、算定した価格の約8割

計算方法は、
「今年の1月1日時点の地価公示価格や実際の売買価格を元に、不動産鑑定士らの鑑定評価額なども踏まえて算定した価格の約8割で評定されている。」(朝日新聞 2018年7月3日)

「実際の売買金額と、評価額の差が大きいのはおかしいのではないか?」
と言う質問を受けることがありますが、そもそも8割の価格で公開されているのです。

その「路線価」が発表されました。

全国平均の「路線価」は上がった!

朝日新聞:路線価上昇:180703

 

これも「あべのミクス」の影響でしょうか?
全国平均の「路線価」は3年連続して上がりました。

と言っても、どこもかしこも上がっているわけではありません。

「低金利のもと、不動産投資が都心部に集まり地価を押し上げている。」
(朝日新聞 2018年7月3日)

特に東京都内では高層ビルの建築ラッシュですね。
森ビルもは六本木ヒルズの2倍にもなる3棟の高層ビルの計画をしているそうです。

海外からのお金も入って来ているのでしょう。

では、我らが栃木県の「路線価」は?

栃木県の「路線価」は落ちている

下野新聞:路線価下落:180703

 

栃木県の「路線価」は、平均すると落ちています。

宇都宮、栃木、氏家、佐野が変わり無し。
それ以外は、落ちています。

鹿沼がー2%、真岡はー2.6%です。

「路線価」が下がると言う事は、土地の売買金額が減り、支払う税金も少なくなると言うことだけを考えると良いのですが、、、

 

結局、この「路線価」は「その街の魅力度をあわらしている」とも言えなくもありません。

栃木って、首都圏にも近いし、魅力的だと思うのですが。

栃木のライバル「群馬」「茨城」も「路線価」は下がっている

それでは、北関東3兄弟、栃木のライバル、とも言われている「群馬県」と「茨城県」はどうなのでしょうか?

実は、両方の県とも「ー0.7%」でした。

栃木県は「ー0.8%」なので、栃木の方が負けていますが、、、、

「埼玉」「千葉」は「+0.7%」、「神奈川」は「+0.6%」でした。

日本海側の県も、軒並み下がっているようです。

完全に、都市部と地方部に分かれています。
なかなか、厳しいですね。

「北海道」と「沖縄」は上がっている

忘れていけないのが、この2つ。
「北海道」と「沖縄県」

両方とも本土から離れて、それほどの産業もない地域。
さぞや下がっているのでは?

と思っていたら、違いました。

「北海道」は「+1.1%」
前年が「+0.9%」も上がっていますから、続いています。

沖縄は、なんと「+5.0%」で、一番の上昇率です。
2位が東京の「+4.0%」ですから、そのUP率の凄さがわかります。
昨年は「+3.2%」と、東京と同順位。
ホテル建設などが影響しているようです。

この辺りは、インバウンド(外から来る人)の影響も大きいようです。

インバウンドと言えば九州。
ここのところ、住宅建築も多いと言われています。

特に福岡は「2.6%増」となっています。
他に、「佐賀」「長崎」「熊本」が上昇しています。

 

全国の状況を表す路線価

路線価と言うと、税金の評価の為にあると思いがちです。

しかし、このような見方をすると、全国の経済状況を表している事もわかりますね。

 

栃木の路線価は、上がる!かな?

バブルの頃は、宇都宮の評価額は今の10倍以上あったそうです。
(朝日新聞 2018年7月3日)

それはそれで、恐ろしい金額ですが、下がり続けるのもさみしいですね。

 

最後に、これから少しは栃木の路線価が上がり始めるかもしれません。

と言うのも、栃木県内の工業団地の土地が売り切れました。

それに、宇都宮にLRTが出来れば、宇都宮の東側の土地の価格が上がるかもしれません。

さて、これからどうなるのでしょうか?

 

参考文献:

朝日新聞 2018年7月3日

下野新聞 2018年7月3日