ふう、「里山住宅博 in つくば」も、これで最後です。

今回の内容は書こうかどうか迷ったのですが、せっかくなので少しだけ書こうと思います。

熱い想いの5人!

パネルディスカッションは、このメンバーで開催されました。

左から

進行:新建新聞社社長 三浦 祐成さん

住宅建築業界のセミナーと言えば、必ず出てくるのがこの三浦さん。

リクシルの時にもいらっしゃいました。

この人が進めるとなかなか面白くなります。

小玉 裕一郎さん

「里山住宅博 in つくば」のグランド・デザインを担当された方です。

伊礼 智さん

私のブログには何回も出てきている伊礼さん。

書籍も多数出しています。

堀部 安嗣さん

なんと書いていいのか悩みますが、話を聞いた感じでは「The 建築家」。

筑波大学を出ているので、「里山住宅博 in つくば」の開催地でもある筑波には思いいいれがありそうです。

森 みわさん

パッシブハウス・ジャパン 代表理事

家づくりを通して、原発をなくしたいと考えているようです。

パネルディスカッション!

三浦さんの司会で、パネルディスカッションが始まりました。

三浦さんの考えた「里山モデル」

堀部さんの思う里山

堀さんは、鋭い意見を言います。

「筑波には30年以上前の学生の頃に住んでいた、
 新しいショッピングセンターや、駅ができるたびに街が使い捨てられていく」

三浦さんの考えたヴァンガードハウス

皆さんのご意見を順番に掲載します。

堀部さん、

建築家の家は、変な家と思われている。
高価な家をつくっても、一般の家にフィードバックをできるようにする必要がある。

ホンダのF1参加のように。

伊礼さん

住みやすさ、使いやすさを考えるとつまらない家になる。

建築としても魅力が欲しい。

森さん

今の家は、4人家族で考えることが多いが、1世帯の平均は2.42人しかいない。

本当に、4人分の家が必要なのか。

堀部さん

伊礼もどきが多い。
照明も、使っている材料も、みんな一緒。
思考停止しているのではないか。

建築家が形を作りすぎている。

伊礼さん

自分の積み上げをしている

清家清さんの言葉。
「真似してくれないディテールなんて」

自分らしい設計をしている

ここで、一悶着?

ここで、堀部さんが伊礼さんに意見します。

ただ、これは堀部さんと伊礼さんの建築に対する違いがあったために起きたと思いっています。

堀部さんは、建築家なのだから標準化とかいうのではなくて、それぞれの家を考える「ベーシックが大切」と言っています。
「図面を公開したりする事もどうなのだろうか」と考えています。
「自分の特殊性を考えるのが大切」という言葉からも、堀部さんの意識が伝わってきますね。

伊礼さんは、自分の家づくりノウハウを公開しているのです。
その理由は、建築家の建てる家を少しでも安くしたいという考えもあります。
もっと高品質なデザイン性に優れた家に多くの人が住めるようになるには、規格なども必要があると考えているようです。

この話が出た時には、会場が緊張したのがわかりました。

三浦さんも、伊礼さんに
「何か、堀部さんに言いたいことがあったら言ってください」
みたいに、火に油をそそぐような事も言ったりして。
この辺りのコントロールの上手なところが、三浦さんなのですが。

森さん

性能を良くするために、数字を上げることが大切と言っているわけではない。

性能も「ここまでで良い」とは言っていない。

今までは「コスト重視」が多い。

一番の目的は「体が楽になる事」。

最初は自分のエゴで進めて、次に社会の事を考える。

終わりに

長く続いた「里山住宅博 in つくば」のブログも、これで終わりです。

もしかすると、私の理解力不足で誤解を与えてしまうところもあるかもしれませんので、その点はご了承ください。

今回のお家は一つの考え方です。

万人向けでもありませんが、どこかホッとする家づくり、極めようとする家づくりには、我々家づくりを職業としている者にも学ぶことは多くありました。