お家は、自然の中で作られます。
屋根とかがある工場で作られるものではありません。

そのため、上棟後(柱や梁を組み上げた後)などは外壁もまだできておらず、雨が降ったり、台風が来てしまうとどうしても濡れてしまうことがあります。

特に合板は、雨に濡れると黒ずんでしまい、まるで腐ったように見えてしまうものです。

その腐ったように見える合板が、床の下地材だったら、心配ですよね。
将来的に、床が抜けてしまうのではないかと。

そのような心配された方の話は住宅業界ではよく聞きます。
その内容が「日経ホームビルダー8月号」に掲載されていましたので紹介します。

床下地合板は、濡れても大丈夫

昔は無かったのですが、15年くらい前からでしょうか。
床仕上げ材(フロアー材)の下地に24mmの合板を敷く事が多くなりました。

今では、この工法が多いのではないでしょうか。

しかし、この合板は濡れるとアクのような物が出て黒ずんだり、変色してしまいます。

「これはダメだ!」

と思われる事は理解できます。

では、実際に合板が弱くなっているのでしょうか?

実は、弱くはなっていません。

一般的に、床下地に使う構造用の躯体合板は耐水性がある「特類」に分類される合板だからです。

特徴として、
「屋外または常時湿潤状態となる場所(環境)において使用する事を主な目的とした所定の接着の程度を満たす合板」
とされています。

簡単に説明しますと
「雨風に当たっても、ある程度耐えられる合板です」
という事です。

変色の原因は、化学成分

「変色の原因は、木材中に含まれる化学成分が水に溶け出してイオン反応することによって生じる」
と言われているそうです。

これらのことから、強度と違って乾燥しても元の色には戻りませんが、強度などの性能を損なう事はないと考えられています。

濡れた後の乾燥は大切

では、全く安心なのかというと、そういうわけではありません。

乾燥をしっかりとする事は大切です。

合板の場合、若干の水が浸みてしまいます。
そのまま、床仕上げ材を貼ろうとすると接着剤が効きませんので、後で床鳴りなどの原因になります。

日経ホームビルダー8月号は、濡れた後の含水率も掲載されていました。
含水率とは、どのくらい木材や合板に水分が含まれているかを示す数字です。

  •  3日後:  70%
  • 10日後:  15%

だったそうです。

合板の適正な含水率が15%くらいですので、10日くらい乾燥させると良さそうです。

濡れないように、ブルーシート

では、現場では雨に濡れないようにどのようにしているのでしょうか?

それは、ブルーシートで家中を覆うのです。

それでも100%雨が入らないとは言えませんが、効果は大きいです。

下の写真は、8月24日、25日に行った見学会の現場写真です。
監督が写真を撮っておいてくれました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

職人さんも、キレイに貼ってくれていますね。

玄関部分だけは、職人さんが出入りするので少し開けていますが、不在になるときにはしっかりと閉めていきます。

ただし、職人さんは大変です。
夏場などは蒸し風呂のような環境で作業をしなくてはいけないからです。

それでも、少しでもいい家を作りたい、という思いで頑張ってくれています。

現場の管理は大丈夫ですか?

このような写真を見ると、どの会社の現場でもこのような事をやっているかと思われるかもしれませんが、それは全然違います。

住宅会社によって家づくりの考え方が違うためです。

いい家を作るのは、デザインや性能だけではありません。

しっかりと現場が管理されていなければ、お金をかけたカッコ良いお家も台無しです。

家づくりの際には、必ず現場管理をどのようにしているのか、確認してくださいね。