織り機で世界一の性能を持っていたトヨタ。

車の開発を始めるわけですが、最初は小さなエンジンから始まりました。

輸入したエンジン

車を作る前に、エンジンを輸入したそうです。
それがこちらです。

スミス・モーター・ホイール

なんとタイヤ付きです。

これを参考に、密かにエンジンの開発を始めたのだそうです。

自動車開発は膨大な費用がかかることから反対もあったそうですが、1933年9月1日に、社内に自動車部を開設します。

材料試験室も建設

自動車を作るには、高度な材料を作ることも大切です。
そこで、当時の大学と同じレベルの材料研究室を作りました。

当時の測定器が展示してあります。

建物にも注目。
100年以上前にも、このような作りだったのですね。

エンジンの試作も大変だったそうです。
1934年5月の試作開始から3ヶ月の間に500〜600個のシリンダー・ブロックを作ったとか。

え〜と、3ヶ月と言うと90日しかないので、1日あたり5〜6個作ったようです。

ボディを作る

美しいボディを作っている工程も丁寧に展示してありました。

これだけの木型を作っていたのですね。

もっと、クラッシックカーのような車をイメージしていましたが。

シャーシ

シャーシも展示してあります。

このように見ると、今と基本的な構造は変わっていないような。
と言っても、専門家からすると全然違うのでしょうね。

研究所

先ほどの、測定器などが置いてあった研究所です。
外観も、きちんと保存してありました。

屋根も、パターンに分けて保存してあります。

手前にあるコンクリートの上がっているところは、火事延焼防止のためにある「うだつ」です。
1934年に作られた鉄筋コンクリート造で、これも移築しています。

車のライン

車が作られていくラインも再現してあります。

今と大きく違うとはいえ、基本的な発想は同じようです。

トヨダAA型 乗用車

そしてできたのが、こちらの「トヨダAA型 乗用車」。

「トヨタ」ではなくて「トヨダ」なのですね。

発売されたのは、1936年4月。
金額は3,350円(名古屋渡し)。

フォードやGMに比べて400円も安かったそうです。
最初から、1割以上も安いとは、かなり価格設定を考えたのでしょう。

エンジンは6気筒で3,389cc、65馬力。

車重は1500kg。

定員は5名。

大きさは、エスティマよりも少し大きい程度だそうです。

このように聞くと、価格と馬力以外、今の車とほとんど一緒ですね。

1404台、生産されました。

馬力は軽自動車並みですが、今の軽自動車の重さは重くても900kgくらい。
どのような走りをしたのでしょうか。

内装も今の車とほとんど変わりません。
と言いますか、後ろの席などは私の車よりも広くて座り心地が良さそうです。

驚いたのは、サンバイザーからグローブBOXまで揃っていること。
当時からあったとは。

今の車には絶対あるけれど、この車には無い物

今あるのにこの車に無い重要なものと言えば「ウィンカー」。
ウィンカーはオプションだったそうです。

クラクションも今と違います。

クラクションはあるのですが、ゴムで空気を送って音を鳴らします。
その時の方法として、膝でゴムを挟んで鳴らしたそうです。

音を聞かせてくれたので録画をしてみました。
ぜひ、聞いてください。

とても柔らかい音ですよね。
当時は馬が多くて驚かせないためにこのような音にしたのだそうです。

途中に入っている不気味な笑い声は、私の声です。
すいません、、、

それにしても完成度が高い

見れば見るほど完成度が高い車と感じてしまいました。

このままとまでは言いませんが、形は変えず今の法規制に合わせて作り替えて、高級車として発売しても面白いのでは無いかと思わせてくれるほどのデザインです。

トヨペットSA型 小型乗用車

これまた目を引くデザインです。
今見ると、とても斬新。

4名乗車ができる車です。
27馬力。

1947年の発売です。
戦後2年目にしてこのような車を作っていたとは。
復興のシンボルにでもなっていたのでしょうか。

トラック

同じ時代のトラックも展示されています。

荷台は木製です。

このトラックにはウィンカーが付いています。
窓の手前にチョコっと上がっているオレンジ色のものがそれです。
これで、気が付いたのでしょうか?

豊田喜一郎さんの言葉

豊田喜一郎さんの言葉も、たくさん展示してありました。

簡単にいうと、
「頭で考えただけで答えを出すな。
 クダグダ言わずにやってみろ!!」
と言う事ですね。

議論で買って喜んでいる者もいます。
しかし、それだけでは無いと言う事に、私も何度も遭遇しています。

偉大な方は
「とにかくやってみろ」
と言う言葉を言っている方は多いです。

さて、今回のブログも長くなってしまいました。

次回も、トヨタ産業技術記念館に、もう少しお付き合いください。