東北に行くと感じるのは、とてもキレイになったと言うことです。

観光旅行で行っただけでは、本当に津波の被害があったことすら感じられない方も多いのではないでしょうか。

映像で見ることもいいのですが、実際に被害にあった建物を残すことも影響を実感するにはとても効果があります。

その中でも、最大規模なのがここ。

「気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館」です。

気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館

もうすぐ海というところまで走ると、遠くに学校が見えてきます。

周りに建物はほとんどありません。

ぐるっと回っていくと、新しい建物があります。
ここが「気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館」。

ここは有料で600円払って中に入ります。

新しく建物の中では映像を見たり、パネルがあったりしましたが撮影不可。

顔が写っている写真も多いからでしょうか。

南校舎

前の写真の左に写っているのが南校舎。

このように、見学できる場所は、キレイに管理されています。
手すりまで付いていますね。

建物も、耐震補強がしてあるようですよ。

ところが、教室の中を見ると、当時を思い出させられます。

外壁も無くなっていれば、天井も無くなっていますね。

この教室は、天井の下地まで無くなってしまっています。

松でしょうか、大きな木が流れ込んだようです。

音声の説明・案内

見学の途中には、QRコードで音声の説明を聞ける設備もありました。

でも、合成音声で、私には馴染めませんでした。

教室に車が!

階段を上がっていくと、車が残っている教室があります。
車は、ひっくり返っています。

なんと、この車のある教室は3階にあります。
この高さまで流されてきていたとは。

手すりが無くなっているのも分かりますね。

でも、津波はもっと上まで行っているのです。

階段を登っていきます。

4階は、天井が残っています

4階まで上がってくると、天井も残っていて、少し古い学校という感じですね。

まだキレイに、一見見えます。

この教室には、黄色い物体がたくさんありました。

この黄色いものは近くにあった冷凍工場の断熱材のようです。

スチールケースが物語る津波被害

下の写真を見ると、真ん中あたりにグレーのスチールケースがあります。

下の方が茶色くなっているのが分かりますでしょうか。

この茶色の部分までが、津波がきたところだそうです。

もう一度書きますが、ここは4階にある教室なのです。

外壁も壊れている

この教室の外壁を見ると、角が壊されています。

鉄筋コンクリートは、そんなに簡単に壊れません。
それも、ここは4階。

この角にぶつかったのは、津波で流されてきた冷凍工場。

なんとか正面衝突は避けられたということですが、その威力を感じさせられます。

まるで、外壁が引き剥がされそうになったようです。

避難した屋上

避難した屋上には、当時利用された机などが残されています。

地震が発生した当時、学校に残っていた170名の生徒は全員避難所へ向かい無事でした。

学校に残った20名の教員と、25名の工事関係者はこの屋上に避難。
翌朝、流れ着いたボートを引き寄せ、全員無事に脱出できたそうです。

屋上は広いですが、寒かったでしょうね。

屋上からは、海が見えます。


震災以前、大学の教授が来て避難場所などを指導したそうです。

ところが、そこへ逃げた人たちは、津波に飲み込まれてしまったそうです。
この話だけでも、今回の津波の大きさが分かりますね。

屋内運動場

津波で、屋根が無くなっています。

折り重なった車

北校舎と、総合実習等の間に、震災当時のまま残されている場所があります。

このような隙間にさえ、これだけの物が流されて来ていたのですね。

他の部分が、キレイになっているので驚かされます。

家も、流されてきていました。

北校舎

南校舎の影になったためか、それほどの被害は見れません。

写真だと分かりにくいのですが、中庭左に木が残っています。

これは、津波の前に植えられた木だそうです。

多くの木は、津波の塩分で枯れてしまうのですが、これは奇跡的に残りました。

北校舎には、学校だった頃の写真が貼ってあります。

ついこの前の写真のように思えてくるほどです。

生徒さんも多かったのですね。

全く生活が変わってしまったことがわかります。

これだけ大規模に残されている遺構は、他にはありません。

少し気仙沼の街からは離れていますが、ご覧になられることをお勧めします。

気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館

お問い合わせ先TEL 0226-28-9671/FAX 0226-28-9675

所在地:宮城県気仙沼市波路上瀬向9-1

営業時間
  9:30~17:00 (4月~9月)
  9:30~16:00 (10月~3月)
  ※入館は閉館時間の1時間前まで休館日
  ●毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌日休館)
  ●祝日の翌日(土日、GW期間を除く)
  ●年末年始(12月29日~1月4日)
  ※毎月11日および9月1日(防災の日)、11月5日(世界津波の日)は
  曜日・祝日に限らず特別開館日となります

入館料
  (個人)一般  600円
  高 校 生   400円
  小・中学生   300円

  団体割引あり