今回、お家を見学してきたのが愛知県豊橋市のニコハウス設計室。

高断熱・高気密の高性能住宅をオシャレに作っている工務店です。

「住まい環境プランニング」代表の古川さんに施工方法を指導していただくにあたり、実際に教えているニコハウス設計室のお家を見ながら行いました。

面白かったのは、上棟から完成まで、重要なポイントで4回に渡り見せていただけたということです。

なかなかこのような機会はありません!

とっても勉強になりました。

① 上棟!

上棟とは、下の写真のように柱や梁をかけていくタイミングです。

一見、いつもと同じような上棟に見えますが工夫されていて少し違うのです。

そのような工夫に差が出てきます。

何気ない写真ですが、見る人が見れば「あれ!」というヶ所が何ヶ所もあります。

実は、同じように見える施工でも会社によって随分と違うのです。

私がよく言う
「同じ図面からできたお家でも、施工会社が違うと完成したお家は全く別な家」
の言葉には、そのような意味があるのです。

ニコハウス設計室が細かいところにまで気を使っているのがよくわかります。

② 防湿工事!

上棟から約1ヶ月後、
現場見学も2回目です。

耐力壁など下地処理が随分と進んでいました。

ここでは、窓の防湿処理を教わりました。

下の写真で窓から顔を出しているのは、「住まい環境プランニング」の古川さんと一緒に活動している魚谷さん。
とっても気さくにお話をしてくださる方でした。

手元に置いてある丸いテープがお分かりになりますか?

あの半透明なテープは、気密や防湿に利用するテープです。

ホームセンターなどで売られているテープに見えますが、実はなかなか手に入りません。

窓枠にある黒くなっている部分の材料も、古川さんが探したパッキン材です。

色々な実験をして耐久性を調べて選んでいるそうです。

例えば、車のボディに貼り付けて耐久性を調べたりもしたとか。

難を言えば、なかなか手に入らないと言うことですね。

見つかっても、箱単位などの大量買をしないといけません。

変な在庫ができてしまったり、無駄が出やすくなってしまう事があります。

高性能なお家を作っていると、一般的でない材料も利用するのでそのような事がちょくちょく起きるようになってきました。

できるだけ良い材料を利用したいと考えておりますが、実際の状況と相談しながら進めていきたいと思っています。

③ 断熱工事

3回目は、断熱工事が終わった段階での見学です。

下の写真にも、色々なノウハウが詰まっています!

ほ〜、と言うところばかりです。

特に、今回「住まい環境プランニング」の古川さんがおっしゃっていたことが、壁体内結露について。

高性能になった分、注意して作らないと逆に建物を痛めてしまう事があります。

「住まい環境プランニング」の古川さんは色々な方から相談を受け、そのようなお家をたくさん見てきたのだそうです。

そのような事が無いように施工していこうと言うのが、今回の研修の要でもありました。

気密測定1回目

このタイミングで気密測定をしました。

その結果は、なんと0.22cm2/m2!

単純に言うと、この測定器で測ることができる限界値くらいです。

凄いですね。

このような数字を聞くとこのくらいの高性能な数字を出さなくてはいけないのかと思ってしまうかもしれませんが、そのような事はありません。

松尾先生は1cm/m2を切るくらい、
HEAT20では0.7±0.2cm/m2以下
を推奨すると言っています。

今回の測定値は、あくまでも参考値と思ってくださいね。

④ 完成見学!

最後、完成したお家を見せていただきました。

外壁には杉板を貼り、美しく仕上がっていました。

床には無垢板、天井も板張り、壁は紙に塗装と、自然素材を意識した作りになっています。

天井は勾配になっています。
一番低い南側は、なんと1.8mしかありません。

北側には中2階のようなフロアーがあります。

和室は、ご両親がいらした時に泊まれるようにしたのだそうです。

気密測定2回目

完成時の気密測定をしました。

測定は2種類行いました。

  1. 換気扇などに目張りをしての測定
  2. 換気扇などにも目張りをしない、通常使用形態での測定です。

測定を開始しましたがこの日は風も強く、なかなかうまく測定ができません。海にも近いので、風が強い日は多いのだそうです。

なんとか半分無理やりの感もありましたが、なんとか測定成功!

換気扇などの目張りをしての気密測定

0.10cm2/m2!

の値になりました。
凄い!

目張りをしないで、通常使用形態での測定

0.36cm2/m2!

になりました。これは給気口も含まれるので低すぎると給気ができていないと言うことになります。ある程度の数字が出て正解です。

風量測定

風量の測定もしました。
けっこうきつい体勢なのですが、頑張って説明をしてくれている古川さん。

エアコンの台数を少なくしてお家全体を快適にする場合、ファンを用いて各場所に空気を送ります。

その際、各場所に想定の風量が入っているのかを確認するのです。

私も風速計は持っていたのですが、このように完全に風量を測ってくれる測定器は持っていません。
高いんです、、、、

と思っていたのですが、この測定器は今まで知っていた測定器よりも安い。

というか、私が持っている風速計と同じメーカーの物でした。

と言うわけで、買ってしまいました!

どのように働いてくれるのか、楽しみです!

空調設備

空調設備は、
冷房用に吹き抜け部分に1台、
暖房用に床下エアコン
の合計2台。

実質な床面積は40坪を超えるくらいあるという事ですが、今の高性能住宅ではこの2台で間に合ってしまいます。

時代が大きく変わりましたね。

今回、お家をつくりながら見せていただきました。

ニコハウス設計室の鈴木さんには、
「何でも聞いてね!」とおっしゃっていただき、
いつもニコニコしながらお答えいただきとても勉強になりました。

洗練された設計と、選び抜かれた材料をしっかりと採用されて、施工管理もしっかりとしていることに感心しました。

あの家づくりなら、間違い無いですね。

ちょうどこのブログを書き終わってFBを見ていたらこんなニュースが飛び込んできました。

飯塚豊先生の工務店設計塾で、総合飯塚賞を鈴木さんがとられました!
この塾は、有名な設計事務所や工務店の方が参加する、とってもレベルの高い塾なのです。
そこで総合賞を取るとは!
さすがですね。

これからも頑張ってください。

ありがとうございました!

「住まい環境プランニング」の古川さんや魚谷さん、このような方ともお知り合いになれて、教わる事ができてとても良かったです。

たくさん質問をさせていただき、ご指導いただきました。
ありがとうございました。

しっかりとした方から教わることは大切ですね。

もしかすると、うるさい奴がいた、と思っていたかも、、、

家づくりは進化していきます。

お家の内容も変わってきます。

その時代に合わせた家づくりを提案させていただきます。

ご協力いただいた会社様

会社名株式会社 ニコハウス設計室
ニコハウス設計室 一級建築士事務所

所在地 〒441-3302  愛知県豊橋市杉山町字東原37-2

TEL 0532-74-1310