「七人の侍」と言えば説明は必要ないくらい有名な映画、
とは少し前の話でしょう。
今では、知らない人も多いかも。
ましてや、見たことのある人など、
ほんの一握りかもしれませんね。
そこで!
社員研修の一環として
会社スタッフの皆んなで見てきました!
ちなみに、昨年はやはり黒澤明の
「赤ひげ」を見ています。
私は、今までに何度か見ていたのですが、
10年以上は見ていなかったのでとても楽しみにしていました。
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見る前に皆んなが驚いていたのが、
上映時間の長さ。
なんと207分ですから、
3時間27分もあるのです。
そのため10分くらいの途中休憩もあります。
昨年の「赤ひげ」も長くて3時間くらいあり、
途中休憩がありましたが、今回はそれ以上ですね。
私も久しぶりに見ましたが、
全く無駄がないというか、
疲れましたが、やはり最高の作品です。
初めて見たときは、正直よくわかりませんでした。
何度か見ていくうちに、味が感じられるようになりました。
台詞も、とても勉強になります。
「ガンダム語録」みたいのもありますが、
「七人の侍」もそれに引けを取りません。
私が好きな台詞は、
「首を切られそうな時に、
 ヒゲの心配をしてどうする」です。
なぜか、最初に見たときからこの台詞が
頭から離れないのです。
黒澤明監督の作品で面白いのは、
戦う戦略をよく考えてあるということです。
「ここを強くして、ここをわざと弱くして・・・」
と、映画の中でも説明するのです。
こういうシーンを丁寧に描く映画はあまりないんですよね。
それにしても、「志村 喬」さんは良いですね。
前にも書いた「生きる」の主人公もこの方でした。
刀を持って走る時の姿がなんとも良い。
強くて、頭が良くて、ユーモアもあり誰にも優しい。
人の弱さも、強さも知っている。
そんな役柄を見事に演じきっています。
黒澤明さんの映画の共通点は、
ヒーローが出てこない事です。
カッコいいのですが、そうでは無いのですね。
黒澤明さんは、戦争などをとても嫌っていたそうです。
だから戦うシーンをカッコよく描くことに抵抗があったのです。
それでも、見ると立廻りのシーンはどうしてもカッコよく見られて、
評価が高まっていくことになるのですが、
その事にとても苦しんでいたそうです。
そこで、黒澤明さんが取った方法は、
立廻りのシーンをなくしてしまうことでした。
ですから「赤ひげ」では、主役が刀を持とうとしません。
「影武者」では、戦うシーンを直接写すこともしていません。
最近ではこのような事まで考えて取っている監督は少ないと思いますが、
そこが、世界的な評価にもつながっているのでしょう。
ちなみに、その気持ちを取り入れて作られているのが、
ジョージ・ルーカスの撮った「スター・ウォーズ」です。
新シリーズからは、そのような気持ちが感じられなくなり
残念と思っているファンは多いでしょう。
最近もハリウッドでリメイクされた「七人の侍」、
まだ上映していますので、ぜひご覧になってください。
宇都宮の「TOHOシネマ」、毎朝10時からです。