今年は話題の映画が多いですね。
それも、ほとんどが邦画。
12月には、
スターウォーズの新作もやりますが、
霞んでしまうほどです。
そのような中、
確実に注目度がUPしているのがこの映画です。
「この世界の片隅に」
私は、全くのノーマークの映画でした。
未だに知らない人も多いかも。
なにしろ、
原作者の名前も知りませんし、
この監督の作品も全く見たことありません。
気になりだしたのは、
知り合いで映画関係のライターをしている方が、
この映画を紹介していた時からです。
決定的になったのが、
「キネマ旬報」のレビュー欄。
3人の批評家さんが、
好き勝手に映画の感想を書く、
私が一番すきなコーナーです。
3人いると、
映画の見方も違います。
5つ星で満点なのですが、
ある人は4つ星で、
ある人は2つ星、
とか、かなり評価が分かれてしまうのですね。
1人でも4つ星があればまあまあ、
2人4つ星があればいい方です。
そのように厳しい映画批評を書いているのですが、
突然目に入ったのが、
3人とも5つ星!
1年間のうちに、
3人とも5つ星なんて数本あるかどうかです。
「えっ、なにその映画?」
と思ってタイトルを見たらこの作品でした。
「これは見なくては!」と思い、
いつもの「ベルモール・TOHOシネマ」で見ようとしたら、
上映すらしていません。
やっているのは、
インターパークにある松竹系の「MOVIX」のみ。
なかなか時間が合わなかったのですが、
なんとか合わせて見てきました。
最初に驚いたのが、絵のキレイさです。
町並みを、とても丁寧に描いています。
内容も、とても柔らかく描いているのですが、
徐々に、歴史の現実に巻き込まれていきます。
笑える所もたくさんあります。
隣に座っていたおばあちゃんは、
「きゃっきゃ」笑っていました。
とても良い作品でした。
私はパンフレットは必ず購入するのですが、
まさかの売り切れ。
調べたら、全国の映画館で売り切れてしまっているようです。
再販しても、また売りきてたようです。
購入率も、とても高いようですね。
「パンフレットも読み応えがあるよ」
と聞いているので、
どこかで手に入れたいと思っています。
唯一手に入れることができたのがこれです。
DSC00712.jpg
入場時に頂いたカードです。
これだけ見るとファンタジーに見えますが、
ほんの1シーンです。
マンガが原作と聞いていたので、
早速買いに本屋さんへ、
2箇所の本屋さんへ、
マンガも
両方で売り切れ。
が〜〜〜〜ん!
と言うわけで、
東京に行った時に行きつけの本屋さんで買ってきました。
DSC00711.jpg
宇都宮に帰ってきたら、
本屋さんに並んでいました。
言ってくれよ〜!
原作もとても良いですね。
そして、映画もそのままに描いています。
この、原作と映画の世界観が
全くと言って良いほど変わらない、
ここに監督の力量を感じました。
もう一つ驚いたのが、映画の製作費用
(実際にはプロモーション作品だったらしいです)
が集まらないので、
クラウドファウンディングを利用して資金を集めたと言うこと。
その事を知ったのも、
映画のエンディング・クレジットの時。
資金を出した方の名前が延々と続きます。
そこにも絵がしっかりと描き込まれていて、
見逃せません。
この作品を作るのに、
2.5億か3億くらいかかっているそうです。
(↑ここ、データ微妙です)
100億以上もかけた大作でもありません。
(日本なら、もっと少ないかな)
アニメだから、という方もいるかもしれません。
それでも、
表現手法はどうであれ、
これだけの作品に出会えることができる、
映画って、本当に面白いなと思いました。
マンガって、本当に面白いなと思いました。
この映画の記事を見つけると、
「のん」の名前が出てきますが、この表現はどうかと感じてしまいます。
「こうの史代」さんの原作と、
映画製作に関わった多くの方の情熱によるものだと
感じるからです。
そこの一つに「のん」さんが関わったと言うことです。
家づくりも一緒です。
誰かがいるから家ができるわけではありません。
数十人の職人さんが協力し合うからこそ、
良いお家ができるのです。
いつもそう思っているので、
余計違和感を感じたのかもしれませんね。
この作品は子供のために作ったアニメとは思えません。
大人の方、
普段は、映画やテレビドラマは見るけれど
アニメは見ない、
50歳以上の方にも、
70歳以上の方、
80歳以上の方にも
(途中、大きな音もしますのでご注意を!)
見て欲しい作品です。
そして、
この作品で描かれていた時代の事を、
伝えて行って欲しいです。