「栃木県内では大きな地震は起きない、」
と言っていた方もいらっしゃいました。

そのような話も東日本大震災を経験して、間違いと誰もが知ることになりました。

その後、多くの住宅用免震システムが開発されました。

では、これらの免震システムはどれだけ有効なのでしょうか?

この疑問、実は建築家の中でも話が別れています。

山辺さん セミナー

以前行ったセミナーでも、やはりこの質問が出ました。

そこでの講師の答えはこうです。

「免震システム自体は効くかもしれない。
しかし、免震システムにかける費用で構造耐力壁を作れば、もっと強い家になる事も考えられる。」

免震システムのコストパフォーマンスは高く無い

確かにそうなのです。

一般的な免震システムは、安くても30万円〜50万円はかかります。

それでは、30万円を免震システムではなくて、単純に家を強くするためだけに使ったらどのくらい強くなるのでしょうか?

地震などの揺れに強くするための壁を「耐力壁」と言います。
この耐力壁が30万円でどのくらい増やせるかを計算すると、なんとなくわかってきます。

1ヶ所の「耐力壁」を5,000円とします。

300,000円÷5,000=60

ですね。

お家を強くする耐力壁を60ヶ所も増やせるのです。

 

そこで、先日構造のお打ち合わせをしたお家に何本の筋交い(耐力壁の一種)が入っていたのか数えて見ました。

35.75坪で73本でした。

と言うことは、30万円分の耐力壁を60ヶ所増やすと、このお家は2倍近い強度を得ることができる事になります。

こうなると、免震システムで少しくらい揺れを防ぐよりも耐力壁を作った方が強くなる、と言うことは間違いではなさそうです。

エスホームのお家は、耐力壁の量を建築基準法の1.5倍以上入れています。

エスホームのお家は、法律上の強度よりもかなり強くしています。

筋交いと呼ばれる耐力壁の数を多くしているのです。

そこで、建築基準法上必要な筋交いの数を概算で計算してみると、「47本」となりました。

そこに30万円かけて60ヶ所の耐力壁を増やすと、建築基準法の2.27倍の耐力壁が得られる事になります。

熊本地震の際にも言われていたのは「基準法の1.5倍以上の耐力壁があるお家はほぼ問題無い」と言う事でした。

2倍であれば、まず間違いない、と考えられます。

元々の耐力壁がなければ、揺れを軽減しても痛みなどが多く出てしまいます。
もし、耐力壁を増やせるのであれば、それにお金をかけるのが優先なのです。

免震システムの寿命は、60年

最近でしょうか、免震システムの寿命が60年と広告などに表示されるようになりました。

この期間はどうでしょう。
長いような、お家にとっては短いような。

長期優良住宅という制度があります。
この基準で建てたお家は75〜90年以上の耐用年数を想定しています。

あれ、足りないですよね。

もちろん、すぐにダメになるわけでは無いのですが、交換が必要になってきます。

60年後に同じ免震システムがあるとは思えませんので、別な物をつける事になるのでしょう。

TNフレックスの寿命は100年

エスホームでは、梁や柱を止める金物に「TNフレックス」というゴム付きの丸座金を使っています。

材木は乾燥すると1〜3mm(無垢材は3〜6mm)縮むので、それによるネジの緩みを防ぐためにゴムを挟んだ特殊なワッシャーです。

TNフレックス

写真の、金属と木材の間に挟んである黒い部分がゴムの部分です。

このゴムは100年の耐性があります。

このくらいあると、安心ですね。