「たろう観光ホテル」と言っても「太郎観光ホテル」ではありません。

「たろう」は「田老」と書く、地名です。

場所は、宮古から北へ20分ほど走った場所です。

観光ホテルの下半分が被災

走っていくと、すぐにわかりました。

周りには、以前は町があったのでしょうか。
そのような形跡を感じました。

この辺りは、高さ17mの津波が来たそうです。
大体、1階の高さが3.5mくらいですから、5階部分くらいまで津波に飲み込まれていたのかもしれません。

この遺構を見ると、3階中程までが被害に遭ったのがよくわかります。
浸水は、4階まであったそうですが、4階部分はガラスも割れていませんね。

津波の力を感じる被害

下から覗くと、2階部分までの構造を見ることができます。

天井の下地も残っていません。
(もしかすると、危険なため外したのかもしれません)

鉄骨分が、やけにテカっているなと不思議に思っていました。
通常は、くすんだ色になっているのです。

車が隣に止めてあり、中にいる作業員をみてわかりました。
保存用に、錆止めなどを塗っているようです。
寒い中、お疲れ様です。

後ろに回ると、お風呂もありました。
ここは、建物の裏側だったためか、天井も残っています。

予約をすれば、中も見学できます

予約をすると、中を見学できます。
上の方の部屋は、綺麗なようですよ。

後ろ側の、手前に付いている少しピンクっぽい部分。
ここは、震災後建てられたようで、ここから上に上がっていきます。

私が行った時にも、取材か何かできている人がいました。

案内板は、4ヶ国語!

在りし日の姿

2.18m移動した地殻変動

「たろう観光ホテル」の駐車場には、測量の基点があります。

なんと、この基点は東日本大震災の地震により移動したのだそうです。

それも、
東南へ2.18m!
地盤沈下で0.31m!

いきなり、ダン!って、2mも突き飛ばされたような事ですから、尋常ではないですよね。

下の写真の雪に囲まれている部分に、黒くなっている基点があります。

土地がらみの仕事をしていると、それだけ座標がずれてしまったら、境界などの復旧はどうするのか、などと心配をしてしまいます。

通常は1cmずれただけでも大ごとなのですから。

昨年も行っている雄鹿半島は
東南東に5.3m移動し、
沈下は、1.14mもあったそうです。

目の前には、防潮堤

ホテルの南側には、港があります。

しかし、新しくできた防潮堤があるため、海も港も見ることはできません。

評判の宿「渚亭 たろう庵」

現在の「たろう観光ホテル」は「渚亭 たろう庵」として、近くの高台に生まれ変わりました。

なんと!
全室露天風呂付きだそうです。

お料理も評判のようですよ!