お家が傾かないようにするための大切な部分「基礎」。
しかし、基礎をしっかりと作るだけでは万全ではありません。

特に、地盤が弱い時には地盤補強の一環として、住宅でも杭を打つ事があります。

「マンションが傾いた!」と言うニュースを覚えていらっしゃいますでしょうか?
横浜のマンションです。
あの原因が、杭と言われています。

杭と言っても種類はいくつもあります。

最近では、
・コンクリートを地面と混ぜて固めるコンクリート杭
・鉄の管を埋める鋼管杭
が多く使われています。

昔は、木の杭が使われていました。
あの、東京駅も木の杭が使われていたそうです。

木の杭というと弱そうですが実はそうではありません。
東京駅では、当初の1.5倍の強度に増していたのだそうです。
地中では、木が腐りにくいのが原因だそうです。

交換杭の工事完了!

エスホームでも、鋼管杭を利用します。
下の写真を見てください。
工事が完成した後の状態です。

写真の、丸い点々が交換杭の頭の部分です。
主に、柱の下などに打ちます。

工事期間は意外と早く、大体1日で終わってしまいます。

スマホとかで見ていると、どこにあるかわからないかもしれませんね。

杭の頭は意外と小さい

鋼管杭の頭です。

この上に基礎が乗ります。

最近の基礎や、建物はがっちりとして来ていますが、それに伴って重みが増しています。

だからこそ、杭工事も大切になってきます。

砂利が敷いてありますが、これは仮想地盤をしっかりと作るためです。

土の出ている地盤だけでは不安定なので、砂利を敷いて押し固めることでしっかりとした地盤を作り上げ、その上に基礎を作っていくのです。

杭は地震には対抗しない

杭を打つと、地震にも安心と思われそうですが、あまり関係無いようです。

先日開催された「みんなの住宅研究所」で、構造の佐藤先生がおっしゃっていました。

基本的には、乗せているだけなので横揺れには対抗できないのですね。

もし、地震に対抗させる場合、この杭を基礎に埋め込む必要が出てくるのだそうです。

確かに、そうですね。

ただ、完全に固定してしまうと、横揺れがまともに建物に伝わってしまうような気がします。

東日本大震災の時には、建物が多少横にズレたような跡がありました。

少しずれたことで、振動を緩和できたと推測するのは考え過ぎでしょうか。

そのようなこともあってか、杭を基礎に埋め込みはしていないのだと思います。

住宅の杭は支持層には達しない

マンションとかの杭と、住宅の杭の大きな差は、とっても硬い支持層まで達するかどうかと言うことです。

マンションのような大きな建物は、とっても強い支持地盤まで杭を伸ばします。
あのマンション問題では、この杭が短くて支持地盤まで届いていなかったのが問題となりました。

では、住宅の杭も支持層まで達しているのかというと、支持層が深い場合には達しません。

一般的に、住宅の杭は地中10mまでの深さにまでしか入れません。

地盤の検査も、10mまでしか測る事ができません。

住宅の地盤は、5m位までが重要視されているのです。

地盤の強度は、地域によってまちまちなため、今回の地盤よりももっと弱い地域もあります。
その場合には、また別の方法で補強します。
これも、10mまでになります。

基礎に、コンクリートを流します!

ちょうど、ミキサー車が来てコンクリートを流し込みました。

コンクリートは、セメント工場で作られ運ばれてきます。

時間がかかると固まり始めてしまうので、地域ごとに決まっているコンクリート工場へ依頼し運ばれて来ます。

ですので、コンクリートも地域によって価格差があり、栃木県でも北部は価格が高めになっています。

地面に敷かれているシートは「防湿シート」と言い、地面の湿気を基礎に伝わらないようにするための物です。

このシートが無いと、基礎に地面の水分が染み込み、鉄筋を錆びさせてしまいます。
鉄筋が錆びてしまうと、最悪基礎のコンクリートを割ってしまうこともあるためです。

何気なく施工されている材料でも、しっかりとした役目があるのです。