お家を支える大切な地盤。
その地盤が強いのかどうかを確認するのが「地盤調査」です。

今回、鹿沼市で行いましたので紹介します。

3種類の地盤調査方法

地盤調査方法には大きく分けて3つの方法があります。

  1. ボーリング試験
  2. 表面波探査法試験
  3. スクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)

ボーリング試験

「ボーリング試験」実際に小さな穴を掘っていき、深さごとの土を取り強度を調べる方法です。
深くまで調べることができます。

一番正確ですが、費用(15万円〜、状況により変わります)と時間がかかるので一般の住宅では使われません。

表面波探査法試験

「表面波探査法試験」は、地面を揺らしてその揺れの伝わり方により地盤の強度を測る方法です。

「地面を揺らす」と言っても、人には感じることの出来なほどの揺れです。

ある程度の地層はわかるのですが、コンクリート片などの障害物があるとそれより下を測ることは出来ません。

深さは10mまで測ることができます。

費用は、10万円程です。

スクリューウエイト貫入試験

「スクリューウエイト貫入試験」は、以前「スウェーデン式サウンディング試験」と呼ばれていた方法です。

一番原始的ですが、わかりやすく安価、時間もかからないので多くの住宅に利用されている方法です。

費用は、5万円(税別)くらい。

測定深度は10mです。

今回は、この「スクリューウエイト貫入試験」を利用したので、こちらについて説明します。

スクリューウエイト貫入試験

「スクリューウエイト貫入試験」は、鉄の棒の先に鏃(やじり)のような尖った部品をつけ、地面にねじ込んでいく方法です。

ねじっても、ねじっても、鏃が入っていかない地面が強い地面と判定されます。

これが、その鏃です。

赤丸に包まれている部分です。

一度測定した後なので、土がついていますね。

この鏃の形状や直径が決まっていて、測定前にはすり減っていないかなどを確認してから測定を始めます。

スクリューウエイト貫入試験 測定機

測定機の全体がこちらです。
右に立っている方が、調査会社の人です。

真ん中に棒が立っていますね。
これをグルグル回しながらねじ込んでいきます。

一般の地面ですと、ねじこむだけでは鏃は刺さっていきません。

そこで、荷重(重さ)をかけていきます。

その荷重は最大1,000N。

単位は「N」で「ニュートン」と読みます。
覚えていますか?学生の時に習った単位です。

昔は「100kgの錘を乗せて」と言っていたのですが、科学業界も単位が変わり1000Nと表示するようになりました。

あの「0.98」とかが出てくるので、約100kgの錘を乗せていると思ってください。

強度は25cmの沈み方で判断する

「鉄の棒に約100kgの錘を乗せて、ぐるぐる回して沈めていく、」というところまではご理解いただけましたでしょうか?

強度を計算するために、この鉄の棒が25cm沈むのに、鉄の棒を何回グリグリ回すのかを数えます。

強度がないところは、ススス〜〜〜、と沈んでいきます。

強度があるところは、沈まずに止まっています。

ある程度沈まなくなったところで、鉄の棒の上の部分を叩いてそれ以上沈まないか確認します。
これは、地中に障害物があり、そこに引っかかって止まっているだけの場合もあるからなのです。

ガンガン叩いて、沈まなければそれで終了。
沈み始めれば、測定再開です。

これらの作業を、固い支持層まで到達するか、測定可能範囲の10mの深さまで行います。

測定ポイントは5つ

この測定は5ヶ所行われます。

お家の周りの角4つと、お家の中心部です。

表面では、地盤は同じように見えても地中では違っていることもあるので、五ポイントのデータがバラバラなことは珍しくありません。

重要なのは、地表から5m

地盤の強度は住宅の場合、地表から5mくらいが重要とされています。

5mより深い場所に少し弱い部分があっても、大丈夫な場合があります。

その代わり、地表近くに弱い部分があると、地盤補強が必要と言われることが多くあります。

検査により違う結果が出る

地盤調査には、いくつかの方法があると書きましたが、測定業者によっても判断が分かれることが珍しくありません。

「地盤改良工事をしなくても良い結果を出しますよ」と言ってくる地盤調査会社もあれば、「地盤改良工事が必要ない確率が高いです」と言っている地盤調査会社もあります。

地盤は一緒のはずなのに、不思議ですよね。

東日本大震災の時には動いてしまったような家もありました。
あの時、地盤補強をしなかったら、傾いていたかもしれない、と思ったお家もありました。

その場合、直すのには1000万円ほどかかります。

地震で傾いた際には、地盤調査の保険はおりませんのでお施主様負担になってしまいます。

あくまでも、正常な状況で沈んだ場合に保険が下りることになっています。

地盤補強をしなくても良いと判断したりする会社は、保険がついているから大丈夫、と言っているようです。

本当に、どのような時にも保険が適用になるのかは、確認してください。

「傾いたら保険でなおせばいい、」という考え自体に問題があるように思います。

いずれにせよ、何があっても傾かないように対策をしておいた方が間違いありません。

傾いたお家を直すのは、手間も時間もお金も浪費してしまいますから。

ですので、第三者機関を利用して地盤調査を行った結果、地盤補強が必要となったのであれば、素直に地盤補強を行うことをおすすめてしいます。

タモリ倶楽部でも!

以前、あのタモリ倶楽部でもこの「地盤調査」を扱った事があります

さすが、マニアックなところを刺激してきますね。

以前はYouTubeに上がっていたのですが、今も残っているでしょうか。

今回は機械で鉄の棒を回しますが、手で回す方法もありそちらもやっていました。

面白かったですよ!