2019年4月に「住宅金融支援機構」が、新しい住宅ローンを発表しました。

それが「フラット50」です。

返済期間 最長50年

今まであったのが「フラット35」です。
これは、固定金利(同じ金利)で35年間返済できるという住宅ローン。
金利が変わらないので返済が終わるまで返済金額が変わらない安心タイプの住宅ローンでした。

その返済期間が50年になります。

すごい。

「返済が終わる頃には、もう生きてないよ!」
と思われた方もいらっしゃるでしょう。
私もです。

「35年返済」ができるようになってからまだ20年

今の「35年返済」ができるようになったのは2000年。

それまでは25年返済が最長でした。

また、返済期間の選び方がゆるくなり、5年ごとだったのが1年ごとになりました

返済期間が延びて組みやすくなった住宅ローン

25年返済から35年返済になって、住宅ローンが随分と組みやすくなりました。

それは、返済期間を見ればわかります。
条件:借入額2500万円、金利2%、ボーナス無し

  • 25年返済 105,963円
  • 35年返済  82,815円

返済金額が減っていますね。

それでは、50年間の借り入れにして返済を考えた場合、いくらになるのでしょうか?

5年毎に計算をしてみましょう。

  • 25年返済 105,963円
  • 35年返済  82,815円
  • 40年返済  75,706円
  • 45年返済  70,249円
  • 50年返済  65,947円

となります。

返済額が大きく減っています。

50年返済にもなると25年返済時の、62%です。

まさに、アパート代と同じ感覚になってくるのではないでしょうか。

毎月返済額が減ると増やせる借入額

返済期間を延ばすと、返済金額が減る事はお分かりいただけるでしょう。

でも、メリットはそれだけではありません。

返済条件の中では、毎年の返済総額の上限が決まってきます。
毎月の返済額が減るということは、この毎年の返済総額の上限に余裕ができるということです。

そのため、多くの人が借り入れ額を増やす事ができるようになります。

それだけではなく、今まで借り入れが難しかった人も借り入れができるようになるかもしれません。

期間が延びることは、いろいろな面でメリットがあるのです。

フラット50の特徴

50年返済できるというのは凄いことなのですが、色々と心配事も出てきます。

そのために、いくつかの特徴があります。

住宅ローン付きで売却可能に

50年という期間は長い。
もしかすると、引越しをしなければいけないことも出てくるでしょう。

そこで、フラット50では、融資期間中にお家を販売する場合、新しい家主さんにフラット50の住宅ローンを引き継いでもらう事ができます。

これは良いですね。

「フラット35」や「フラット20」との併用も可能に

フラット50、良いことを多く書いてきましたが、様々な条件があります。

その一つが、借入額は物件価格の60%までと言う事です。

あと40%は、別に用意しなくてはいけません。

それが簡単に用意できれば誰も苦労しないわけです。

そこで、今まであった「フラット35」や「フラット20」も一緒に利用できるようになりました。

フラット50を利用できる人の条件とは?

フラット50を利用するには、いくつかの条件が必要です。

年収などもありますが、それ以外の条件をお伝えします。

年齢が44歳未満

何歳になっても借り入れができるわけではありません。

残念!

ただし、親子リレー返済を利用すれば使えるようです。

返済完了年齢は80歳

返済の完了する年齢は、今まで通り80歳と制限があります。

と言うことは、最長で考えると20台の時には借り入れをしたくなりますね。

35歳の時に、45年返済で利用するのは大丈夫ですよ。

上手に利用できると良いですね

フラット50は、上手に利用できると役に立つ住宅ローンだと思います。

だたし、注意も必要です。

返済は、何歳までするつもりですか?

まず、何歳で返済を終えるのか、よく考えてください。

繰上げ返済を利用するのか、退職金を当てて返済をするようにするのか、短くする方法はいくつかあります。

まともに80歳まで返済すると考えると、かななか大変な方も多いのが現実です。

金利が少し高い

今までのフラット35に比べると、金利が0.4%程高いようです。

2019年7月時点
2019年7月時点

金融機関も、長期になればリスクが大きくなりますので、その分金利が上がってしまいます。

この0.4%は、決して小さくはないですね。

このフラット50は平成最後に取られた思い切った政策です。

これから住宅着工棟数が減ると言われています。

物価の上昇や消費税UPにより、家づくりにかかる費用も増えてきています。

それらを見据えてのフラット50なのでしょう。

参考文献

住宅金融支援機構 HP