前回お説明した「HEAT20」ですが、う〜ん、わかったようなわからないような、そのような印象を持たれた方が多いのではないでしょうか。

簡単に言えば、家の中の最低温度と省エネルギー性能で区分けしたということです。

栃木県内で発表されている大まかな性能値は前回書きましたが、今回はもう少し細かく地域区分した性能値を書かせていただきます。

HEAT20の中にも地域補正という項目があり、それを利用しました。

栃木県でHEAT20の地域補正をした結果!

栃木県でHEAT20の地域補正をした結果がこちらです。

なかなか、地域にあった値が出ていると思いました。

ちなみに、このくらいの性能を出すには、外張り断熱と内断熱の両方が必要になります。
内断熱だけをやっている工務店には厳しい数字となっています。

ちなみに、住宅水準で公表されている宇都宮は「0.34」なので、なぜか地域補正をすると0.02程良くなっています。

公表されている地域で一番ゆるいのが佐野。
足利も同じくらいでしょう。

小山は、意外と厳しいですね。
宇都宮と同じとは。

この流れから言うと、鹿沼市、那須烏山、今市市あたりの値はなんとなく理解できますね。

よくわからないのは、大田原や黒磯です。
もう少し厳しくしても良いように思います。
何しろ、今年は最低気温−16.5度を記録した地域ですからね。

山のほうに行くと0.3を切り始めます。
このくらいの性能を出すには、かなりの設計力・計算力が必要になります。
札幌の住宅水準G2が、0.28ですので、それと同じかそれ以上の性能が必要になります。

ざっと見てみていかがでしょうか。

ちなみに、あの松尾先生から教わっている「松尾式冷暖房システム」は、このG2が一つの基準となっているので、とっても興味のある分布だったのです。

また、これだけ断熱性能を上げると夏に暑くて家の中がオーバーヒートしてしまうかもしれません。
要するに、暑くて仕方がないという状況です。
そのようにならないために、しっかりとした設計が必要なのです。

この性能以上を出さなくてはいけないと言うわけではありません。
一つの基準として捉えておいていただければ十分です。

なかなか面白かったので、次回はG1の性能も見てみます。
G1は、コストパフォーマンスも考えた性能です。
グッと身近な性能になります。

まずは、多くの方に検討していただきたいのがG1です。

G1の性能くらいになれば、高性能で快適、その上省エネにもなるお家になります。

お楽しみに!

計算方法

「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」HEAT20 ホームページより「外皮水準地域補正ツール」を利用しました。

「UA値から求める」と「部位別U値から求める」のうち、「UA値から求める」を利用しています。

参考文献

「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」HEAT20 ホームページ
2023年2月26日時点