なかなか面白い本でした。
「社長は少しバカがいい。」
書いたのは、「鈴木 喬」さん、エステー株式会社の社長です。
エステー株式会社と言えば、「消〜臭〜力〜〜〜〜!」
のあの会社です。
まあ、自分の事をバカと言う人は、
・本当にバカか、
・とてつもなく天才か、
のどちらか。
この社長は、もちろん後者、それも豪快な天才。
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「消臭力」等の商品を作った人もこの社長で、
エステー株式会社を成長させた人でもある。
会社の役員を「消臭ポット」を持ちながら踊らせたあの人、
と言えば、普通の人でない事は想像がつくだろう。
今回は、こんな話しをしようと思ったわけではない。
この会社が、どんな事をしていたのか、
私も全く知らなかったのでその活動を紹介したい。
東日本大震災後の話しだ。
あの繰り返し流された「AC」のCMに
「これでは日本はダメになる!」
そう思った鈴木社長はCMを作る事を指示する。
そして流れたのが、あの海外ロケをしたミゲル君の
「ラ〜ラ〜ララ〜、、、ショ〜シュ〜リキ〜♪」
と言うCM。
「頑張ろう」とか、「応援しよう」等と言う言葉は一切使わない。
商品名を言っているだけ。
一つ間違えば、大バッシングのCMだ。
しかし、社長決断でCMの作成を進める。
理由は、この撮影された場所は、「リスボン」。
かつて、大震災に伴う津波に教われ市民の3分の1の方が亡くなった町だ。
その後、復興を遂げた街でもある。
この街しかない、と思ったのであろう。
実は、たまたま撮影許可が下りたのがこの街だった、という裏話も有るようだが、
この事実が、CMを作る推進力になった事も事実だ。
少し長くなるが、もう一つ紹介したい。
それは、エステー株式会社が出した、ガイガーカウンターの
「エアカウンター」
最初出たときは、中途半端な製品を出したな、と私は思っていた。
しかし、社長の気持ちは違っていた。
エステー株式会社の主要工場が福島県いわき市にあり、地震による被害を受けた。
動かなかった工場を、何とか再稼働させたのだが、、、、
工場で働く社員が、放射線が気になると言い出した。
当然の事だ。
しかし、ガイガーカウンターは、高価で、
かつ政府が買い占めて手に入らない。
それなら作ってしまおう!と考えたのがこの社長。
会社内の大反対を受けながら、日本の消費者のためと強引に進める。
それも、作るのは福島で。
社員は安く作るために中国に工場を一度は作ったものの、
社長は、福島でこの製品を作ると言う事に意義が有ると、
「その中国工場を捨ててこい!」とまで言ったという。
会社としては、かなり厳しかったようだ。
それでも、あのような異常事態に、
このような重要な決断をトップダウンで出来る、凄い会社だ。
「社長は少しバカがいい。」
帯には
「反省はするな、しっかり寝ろ!」
と書いてある。
この社長、「人間力」が凄い!